導入事例 – 株式会社STERS 様 –

急コール導入事例
株式会社STERS 様
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即時性と確実性が上がり、遠隔医療を行う医師の働き方改善に貢献
株式会社STERS

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株式会社STERS様は、夜間に特化した救急時の遠隔即時コンサルテーションを行う会社です。インターネットを利用して医療機関と放射線科医を結ぶ遠隔医療システムと、時差を併用することで、海外に在住する放射線科医が、症例を見て夜間救急時のコンサルテーションを即時に行っています。

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お話を伺ったご担当者様
松本 純一 様
株式会社STERS 代表取締役
放射線科画像診断専門医
聖マリアンナ医科大学 救急医学 講師 / デジタルヘルス共創センター 副センター長
日本救急放射線研究会 副理事
導入の背景

夜間救急の現場を遠隔医療でサポートするサービスを展開

「急コール」導入のきっかけと背景を教えてください。

我々が展開している夜間救急遠隔即時コンサルテーションというのは、夜間救急に特化して遠隔即時コンサルテーションを行うというものです。夜間救急時に医療機関で撮影されたCT検査やMRI検査の画像を、遠隔地にいる放射線科専門医が診断し、医療機関いる当直医へドクターズオピニオンとしてコンサルテーションを行います。応急処置に追われる当直医の負担を軽減するのはもちろん、画像診断のスペシャリストとしての放射線科専門医の目を通したコンサルテーションを行うことで診断の見落としを防ぐことにも繋げることができます。

まず、このサービスを展開するに至った背景からお話しましょう。
日本ではあまり知られていないのですが、社会的な背景として、画像診断を行う専門医が不足しているという問題があります。CT検査やMRI検査を行う装置の数は全国に1万3,000台ほどあるのですが、それに対し放射線科専門医はアンバランスで4,500人ほどしかおらず、救急放射線を専門にするというのはさらにニッチで、恐らく100人程度しかいません。そのなかで、夜間も勤務する医師となると……、担い手が非常に少ない状況です。
多くの患者さんがご存知ないのですが、画像診断は、患者さんの診断そのものだけでなく、治療方針を決定する上でのキーにもなっています。どう治療を進めるか、所見が無ければ帰って大丈夫であるとか、緊急手術が必要だとか、とりあえず入院しましょうとか。本来は専門医が画像診断をした方が良いのですが、夜間や休日に勤務している放射線科専門医はほとんどいないのです。

以下の図表等は、契約している医療機関のひとつ、木沢記念病院様(現在の中部国際医療センター様)による調査結果になります。急コール、および夜間救急遠隔即時コンサルテーションを導入して改善された課題が、多く見受けられます。

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夜間救急の現場でもCT検査やMR検査は行うのですが、その画像を診断する専門医がおらず、検査はするけれど診断は専門医が来る翌日の朝に……、ということも往々にしてあります。夜間救急の現場は、救急の先生や研修医、若手の医師で回すことが多く、自分で診断がつかない場合は、休んでいる上級医を起こして診断をお願いするということに。その代わりとなるのが我々の夜間救急遠隔即時コンサルテーションなのです。

21:00~8:30の夜間に特化していて、準夜帯は国内医師、深夜帯は時差を利用して日本の医師免許を持つ海外在住の専門医が対応しています。ただ、海外在住の専門医が少ないため、国内の医師も深夜帯を担当している状況です。

医療機関からの検査画像はクラウドサーバにアップされ、それを専門医がクラウド上で診断します。即時診断が必要なので、依頼があると、担当医にメールで連絡するというシステムになっており、15分後に診断が完了していない場合は、再度メールが送られてくるという仕組みです。

導入のポイント

確実性の高い電話で即時対応が可能に。医療現場の負担も軽減

「急コール」を導入される“決め手”となった理由は何でしたか?

現在、9名の在籍医が曜日、時間帯でシフトを組んで、その時間帯を受け持つ医師が一人で複数の医療機関からの依頼に対応するという体制です。昼間は別の仕事があり、その勤務後に対応する医師も多くいます。依頼がくるのは夜間ですから、正直なところ、できれば寝ていたいのです。

依頼が発生した時の通知方法としてはメールやLINEなどもありますが、寝ている人を起こすというミッションを達成する通知方法となると、やはり電話が一番確実です。

急コール導入以前は、医療機関から依頼と同時に電話をもらうようにしておりましたが、夜間救急の現場というのはみなさんが想像する以上に忙しく、電話をかける作業が医療機関の負担になっていました。
こうしたことからメールと電話を紐づける必要性は以前から感じていたのですが、求めているようなサービスはなかなか見つからず、またコールセンターの導入も検討したのですがコストの面から断念しました。
「急コール」の存在を知った時は、やった!見つけたぞ!という思いでしたね。

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導入効果

電話がなるまで確実に休めることで働き方が変わった

「急コール」をお使いいただいて、いかがでしょうか?

なんでもっと早く導入しなかったのかなと思います。現在は、深夜帯を担当している私を含めた2名の国内医師と、育児中の海外医師の3名に電話がくる3架電パターンで利用しています。利用している医師は、みんな口を揃えて「導入して良かった」と言っていますよ。

特に気に入っているのが、固定メッセージが流れる点です。
電話がなった時点で読影依頼だと分かるので、流れているメッセージの途中で電話を切って、すぐに診断に取り掛かることができるからスムーズなんです。人からの電話の場合は、受け答えをする必要があるので時間のロスになりますし、寝起きだと応対が面倒ですよね。固定メッセージだから、ちゃんと最後まで聞かなくても良いというのがラクなんです。
それから確実に電話がなるという点です。

メールの場合、気づかなかったり、見落としてしまったりということが起こり得ますが、電話がくるので対応が大きく遅れるというリスクがなくなり、一度で出ない場合は繰り返し電話がくるので確実性も上がりました。

また、電話がなるまでは休めるという面でも非常に大きなメリットを感じています。これまでは気を張って何度もメールを確認しながら待機しなくてはならず、依頼がこない時でもしっかりと休むことができませんでした。「急コール」を導入したことで、次に電話がなるまでは確実に空き時間になるんです。メールを気にしながら少し休むのと、たった1時間でも電話がなるまで寝られるのとでは、翌日への影響も大きく変わります。
導入後は、依頼元である医療機関からの架電の手間を廃止することができ、お客様からもとても喜ばれています。

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「急コール」の導入背景や、導入した結果を語る松本様
今後の展望

他の医療機関や医師の働き方改革にも急コールが役立つのでは

「急コール」がそのような形で医師や医療現場に貢献できていると知り、大変嬉しく思います。今後さらに満足いただくために、ご要望などはございますでしょうか。

導入はスムーズに行えましたが、現状使っている我々の遠隔医療システムと「急コール」のシステムとのより密な連携機能があると嬉しいですね。現在は、システムエラーに備えて、1時間以内にコンサルテーション結果がこない場合は依頼元である医療施設から担当医へ電話をもらうようにしており、医療的にクリティカルにならないよう運用ルールを定めています。

速さと確実性を上げる「急コール」は、他の医療機関でも役立つことは容易に想像できます。緊急時に電話を鳴らすというのは今まで属人的な作業でしたが、「急コール」のようなサービスを活用することで、手間もかからず確実にミッションを達成できるというのがDX化のメリットのひとつではないでしょうか。2024年から開始される医師の働き方改革でも「急コール」は活用できるのではないかと思っています。

本日は貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございました。医療機関や医師の働き方改革に「急コール」が活用いただけるよう、今後のサービス品質向上にぜひご期待ください。

導入企業様のご紹介
株式会社STERS 様
  • 事業内容:夜間救急遠隔即時コンサルテーション
  • URL:https://er-support.jp/
  • 導入サービス:急コール
  • 導入目的:遠隔画像診断の対応時間を短縮し、当直医および画像診断医の負担を軽減する

※2022年6月現在の情報です