導入事例 – オタフクソース株式会社 様 –

急コール導入事例
オタフクソース株式会社 様
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SAPの夜間処理遅延にどう対応する?
急コールによる「緊急事態の迅速な把握」で、業務開始への影響を回避

オタフクソース株式会社

オタフクソース株式会社 様
オタフクソース株式会社 様

大正11年創業。2022年に100周年を迎えたオタフクソース株式会社様は、お好みソースを始めとした液体調味料をメインプロダクトに、お好み焼き粉や天かすなど幅広い商品展開を通じて、粉もの文化の普及拡大に貢献しておられる老舗企業です。

機械にできることは機械に任せる、という、製造業ならではの風土が培われた同社では、IT分野への積極投資を早期から進められ、基幹業務システムSAPについては2006年のECC6.0リリース時に導入。SAPの夜間処理遅延という課題解決を目的に、「急コール」の導入に踏み切られました。急コール導入後の活用方法や効果について、同社IT推進ご担当者様に伺いました。

オタフクソース株式会社 様
お話を伺った
ご担当者様
岩井 基 様
オタフクホールディングス株式会社
IT推進部 システムデザイン課
課長

導入前の課題

夜間バッチ処理の遅延・停止に気づけず、朝の業務開始に支障が出てしまう。

導入後の効果

夜中の緊急事態も自動電話で即座に通知。
早期検知によるリードタイムで、業務始業時の影響を未然に防ぐ。

オタフクソース株式会社様では、基幹システムであるSAPの夜間処理における遅延や停止が、朝の業務開始に影響を与えるリスクを抱えていました。この課題に対し、「急コール」を導入することで、システムの異常を早期に検知し、対応時間を短縮するとともに、働き方も考慮した運用を実現することに成功しました。本事例では、急コール導入の背景から、実際の利用感、そして今後の展望までを詳しくご紹介します。


導入前の課題:夜間処理の遅延がもたらすリスク

1. 夜間バッチ処理の遅延・停止リスク

オタフクソース株式会社様では、SAPの夜間バッチ処理を自動実行していました。この処理は、概ね2〜4時間程度かかっており、時には6時間以上かかることもありました。この処理が何らかの原因で遅延したり、停止したりすると、翌朝の業務開始までに処理が完了しないリスクがありました。

この夜間処理は、SAPとSAP BW※1を連携させるためのものでした。当時、処理が完了しないと、朝の業務に使うデータが最新の状態に更新されないという、大きな影響が発生していました。SAP移行(ECC→S/4 HANA)を完了し、連携先をSAP BI※2とした現在はSAP BWの利用を停止し、夜間処理の必然性は低下したものの、5年前当時は緊急性の高い業務でした。
※1:SAP BW(ビジネスウェアハウス)
※2:SAP BI(ビジネスインテリジェンス)

2. アラートメールの課題と担当者の負担

SAPの夜間処理に異常が発生した際には、アラートメールが担当者に送信されます。しかし、このアラートメールにはいくつかの課題がありました。

まず、エラーメールは大量のメールに埋もれてしまい、担当者がすぐに異変を察知することが困難でした。また、業務時間外に常にメールをチェックする運用は現実的ではなく、事実上、担当者は翌朝の出社時まで問題に気づくことができませんでした。

従来の運用では、夜間処理が完了したことを知らせるメールが届かないことで、異常に気づくという受動的な方法でした。しかし、この方法では問題発生から担当者が気づくまでにタイムラグが生じ、対応が遅れてしまうという根本的な課題がありました。

3. 働き方改革と緊急対応のバランス

近年、働き方改革が進む中で、業務時間外の対応は極力避けるべきという風潮が高まっています。しかし、SAPの夜間処理のように、業務継続に直結する重要なシステムについては、迅速な対応が求められます。

オタフクソース株式会社様では、「緊急性が高い」事象と「業務時間内にリカバリーできる」事象を切り分け、前者については担当者が迅速に対応できる体制を構築する必要がありました。

急コールを知ったきっかけ

ネット検索で見つけた「唯一の解決策」

SAPの夜間処理遅延という課題に対し、どうすれば担当者が迅速に気づくことができるか、解決策を探していました。Webで検索した際、「急コール」が目に入りました。

当時、緊急時の自動電話通知という同様の機能を提供しているサービスは他にはありませんでした。夜間処理の遅延という「自分たちが抱えている具体的な問題」を、「メールのフィルタリング+自動架電」という明確な方法で解決してくれる急コールは、まさに求めていたサービスでした。

このサービスを見つけたとき、「これはいい!」と直感的に感じ、すぐに導入を決めました。

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導入の目的

“止まった”事象を迅速に担当者へ通知し、対応時間を短縮する

急コール導入の最大の目的は、SAPの夜間処理が「止まった」という事象を、担当者が少しでも早く把握することでした。

従来のメールによる通知では、朝の出社時に初めて異変に気づくことが多く、復旧対応が大幅に遅れていました。極力早いタイミングで異変に気づくことで、対応時間を短縮し、朝の業務開始への影響を回避したかったのです。

具体的には、自動実行ツールであるJP1が、SAPの夜間処理が停止したことを検知すると、急コールに通知が飛び、担当者の携帯電話に自動で電話がかかる仕組みを構築しました。

導入後の効果・実績

1. 迅速な状況把握による業務影響の回避

導入後、実際に夜中に急コールから電話がかかってきて助けられたことが何度もありました。もし急コールを導入していなければ、担当者は朝8時の出社時に初めて異変に気づき、大慌てで復旧作業に取りかかる事態となっていたでしょう。

しかし、急コールを導入したことで、夜中の3時に処理が停止した場合でも即時架電が実施されます。担当者は即時対応することもありますが、通常は早朝6時ごろに履歴を確認し、重要な事案については対応に着手できるようになりました。これは、従来よりも2時間も早く対応を開始できることを意味します。この2時間のリードタイムが、朝の業務開始への影響を回避する上で非常に重要でした。

2. 万一電話に出られなくても安心

急コールからの電話に、万一出られなかったとしても、携帯電話には着信履歴が残ります。担当者は朝起きたときに着信履歴を確認することで、「これはまずい」「これは翌日で大丈夫」と、迅速に事象の重要性を判断することができました。

電話という形で通知が来ることで、大量のメールの中から重要なアラートを探す手間も省け、担当者の時間的、精神的な負担も軽減されました。

3. 効率的なアラート管理

システムが増えれば増えるほど、アラートメールも増加する傾向にあります。中には緊急性の低いものもありますが、すべてを無視することはできません。

急コールは、複数のアラートの中から、本当に重要なものだけをフィルタリングして電話で通知することができます。これにより、担当者は本当に対応すべき事象に集中することができ、効率的なアラート管理を実現しました。

担当者様の声

導入担当者様の反応

「正直、担当者としては嬉しくないですよ(笑)。夜中に電話がかかってくるわけですから。でも、管理する立場や会社の立場からすると、やはり緊急性の高い事象に早くアクションを取れるようになった認識はあります。会社の事業継続に影響するほどではありませんが、システムの安定稼働を行う上で非常に有用だったと判断しています。」

システム利用者様の反応

「特に反応はありません(笑)。運用側の苦悩する部分ですが、システムの利用者から見ると、システムは安定して当たり前の世界なんですよね。できて当たり前だから、反応がないのも当たり前かもしれません。ただ、裏側では急コールが大きな役割を果たしてくれていたのは事実です。」

今後の展望

目的業務の完了と継続利用の検討

オタフクソース株式会社様では、今年(2025年)5月にSAPのマイグレーション作業が成功したことで、当初の導入目的であった夜間バッチ処理の遅延リスクは大幅に低減しました。これにより、SAP関連での急コールの利用は減少しています。

しかし、これは「急コールが不要になった」ということではありません。

担当者様は、「他のアラートが発生するような業務でも使用が可能なので、継続して利用することを検討しています」と話します。

働き方改革が進む現代において、夜間や休日といった業務時間外のシステムトラブル対応は大きな課題です。オタフクソース株式会社様では、この課題に対し、緊急性の高い事象に絞った上で、急コールのようなツールを賢く活用していく方針です。

導入企業様のご紹介
オタフクソース株式会社 様
  • 事業内容:食酢、調味料、甘酒、発酵調味料など醸造製品の開発・製造・販売
  • URL:https://www.otafuku.co.jp/
  • お話を伺ったご担当部門:オタフクホールディングス株式会社 IT推進部
  • 導入したサービス:急コール
オタフクソース株式会社 様