導入事例 – 株式会社エヌ・シィ・ティ 様 –

急コール導入事例
株式会社エヌ・シィ・ティ 様
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深夜・休日のアラート見落としを、どう防ぐ?
急コールによる「放送事故につながる予兆の即時通知」で、止められない地域放送を守る

株式会社エヌ・シィ・ティ

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1989年の開局以来、新潟県中越・県央地域を中心とした16自治体をサービスエリアとし、ケーブルテレビ・インターネット・電話サービスを提供してこられた株式会社エヌ・シィ・ティ(NCT)様。全国のケーブルテレビと比べても非常に広いエリアをカバーし、長岡・柏崎・片貝の「越後三大花火」の生中継や夏の高校野球など、地域に密着した生中継番組に力を入れておられます。

お客様の個人情報を扱う事業者として、放送設備を含めたセキュリティにも早くから注力されてきた同社。2025年9月に発生した放送事故をきっかけに、再発防止策の一つとして「急コール」の導入に踏み切られました。導入の背景や活用方法、そして効果について、放送設備や機器の管理・運用を担う放送技術チームのチーフリーダー・川上様、山口様に伺いました。

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※お写真は川上様
お話を伺ったご担当者様
川上 和良 様
株式会社エヌ・シィ・ティ 地域情報部 放送技術チーム チーフリーダー
山口 純平 様
株式会社エヌ・シィ・ティ 地域情報部 放送技術チーム リーダー

導入前の課題

深夜帯や休日などにアラートメールへの気づきが遅れ、放送障害への対応が遅れる。
それが結果として、放送事故にまでつながってしまうこともあった。

導入後の効果

放送事故につながる恐れのあるアラートを、登録した担当者へ自動で順次架電。
組織・チームとしてアラートメールの見逃しを100%防止し、深夜帯に常時メールを確認する必要もなくなった。

NCT様では、放送の生命線ともいえる映像・音声を安定して届けるために、放送設備の異常を知らせるアラートメールを運用してきました。しかし、深夜・休日に少人数で放送を支える体制のなかで、重要なアラートの見落としが課題となっていました。本事例では、重大な放送事故を契機とした急コール導入の背景から、実際の運用方法、導入後の効果、そして今後の展望までを詳しくご紹介します。

導入前の課題:見落としが招いた、重大な放送事故

大量のアラートに埋もれる「本当に重要な通知」

NCT様では、放送設備の死活監視に監視ソフト「Zabbix(ザビックス)」を導入し、放送障害や緊急の不具合が発生した際に、担当者へアラートメールが届く仕組みを運用していました。

しかし、機器の電源断・映像の不具合・無音など、トラブルが複合的に発生すると、重要度の高いものから低いものまで大量のアラートメールが一斉に発報されます。その中から本当に対応が必要な「致命的な通知」を見分けることは容易ではなく、特に深夜帯や作業中には、重要なアラートを見落としてしまうことが稀にありました。

少人数・夜間休日という構造的なリスク

ケーブルテレビ局は、24時間365日にわたって専属の放送監視要員を配置できる大手放送事業者とは事情が異なり、限られた人員で放送を支えています。NCT様でもアラート対応の人員は5〜6名程度いるものの、休日・深夜帯などにリモートで障害対応できる担当者は限られていました。平日の日中は放送中の全チャンネルについて映像・音声が正常かを担当者が確認していましたが、土日祝日・深夜帯などはそのチェックが手薄になりがちだったといいます。

2025年9月、重大な放送事故の発生

こうした要因が重なって発生したのが、2025年9月の放送事故でした。きっかけは悪天候です。新潟県は台風の直撃が少ない地域ですが、当日は大雨に見舞われていました。

NCT様は衛星放送を受信し、コミュニティチャンネルとして利用者へ再配信しています。悪天候で衛星からの映像が大きく乱れた際、受信機の先で映像を放送用規格(SDI)へ変換するアダプターがフリーズ。天候が回復して衛星放送が正常に戻った後も、このアダプターのフリーズが解消されず、映像のフリーズが2時間以上続いてしまいました。折しも土日の深夜帯。大量のアラートメールが発報されるなか、当時リモートで対応できる担当者が1名のみという、悪条件が重複することで、肝心のアラートへの気づきが遅れてしまったのです。

放送法では、一定規模以上の放送の停止・障害が発生した場合、総務省への報告が義務づけられています。今回はこれに該当する重大な事故となり、総務省(信越総合通信局)へ事故報告書を提出。原因を究明するなかで、機器の不良に加え、アラートメールの見落としという課題が浮き彫りになり、総務省からは再発防止策が求められました。
川上様は当時を「恥ずかしながら、アラートメールの見落としを一因とする放送事故を起こしてしまった」と振り返ります。再発防止に向け、(1)不良を起こした機器の交換、(2)土日祝日を含めたチェック体制の見直し、(3)アラートメールの見落としを防ぐ仕組みの導入という3つの対策の検討を開始。「メールの見落としには何らかの改善策が必要」という指摘を受け、行き着いたのが、条件に合致したメールを自動で電話通知するサービス「急コール」でした。

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急コールを知ったきっかけ

再発防止策として「アラートメールの自動電話通知サービス」を探すなかで、川上様はインターネット検索で複数のサービスにたどり着きました。メールが届いても気づけなければ意味がない――その課題を、「メールのフィルタリング+自動架電」という明確な仕組みで解決してくれる急コールは、まさに求めていた方向性のサービスでした。

導入の決め手:セキュリティ選定基準への適合

急コールの導入を検討するにあたり、NCT様は同種の3サービスを比較検討しました。当初は費用面から別のサービスの導入を社内に申請しましたが、ここで課題となったのが、同社の厳格なクラウドサービス選定基準でした。

お客様の個人情報を扱うNCT様では、セキュリティを重視し、社内のシステム委員会がクラウドサービスの導入可否を審査しています。当初検討していたサービスはこの基準を満たしておらず、「多少費用がかかっても、選定基準に適合したサービスを導入するように」と社内のセキュリティ部門から指導が入りました。

改めて急コールに問い合わせ、選定基準との適合性を確認したところ、すべての項目をクリア。これが決め手となり、導入が決定しました。主な選定基準は次のとおりです。

  • ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)やPマーク(プライバシーマーク)などの、第三者認証を取得していること
  • 十分な稼働・導入実績があること
  • データを海外サーバーに置かず、国内サーバーで保管・バックアップしていること

「費用だけでなく、しっかりとした導入実績と、セキュリティ基準を満たしているかどうかが導入の決め手になった」と川上様。放送と通信という重要インフラを担う事業者ならではの視点が、サービス選定に反映された形です。

導入後の効果・実績

「見落としゼロ」を実現する、順次架電の仕組み

現在NCT様では、放送の停波や黒味・無音検知など、放送事故につながる恐れのあるアラートメールの見落とし防止に急コールを活用しています。

仕組みはこうです。映像が黒くなる・フリーズする・無音になるといった異常を検知機器がとらえると、Zabbixへ向けて信号(トラップ)が発報されます。Zabbixは、その内容に応じて「黒味」「フリーズ」「無音」といったキーワードを件名に含むメールを発行。急コールがこれらのキーワードをトリガーとして、登録された担当者へ自動で電話をかけます。

急コールは、登録した担当者へ順番に架電し、1人が出られなくても次の担当者へ。全員が出られなかった場合は最初の担当者へかけ直し、誰かが対応するまで架電を続けます。あわせてリモートで対応できる人数も増やしたことで、「誰か一人が見落としても、必ず誰かが気づく」「最短で誰かが対応し、その結果も確認できる」体制が整いました。

その結果、「サービス導入後は、重大事故は発生しておらず、組織としてアラートメールの見逃しを100%防げています」と川上様。深夜帯に頻繁にメールを確認する必要もなくなり、障害発生時にはアラートへ即時対応できるようになりました。

「事故の一歩手前」を防いだ、具体的なエピソード

急コールが特に役立った場面として、川上様は生中継時のエピソードを挙げます。NCT様の設備には、静止画像が一定時間続くと放送障害とみなし、自動的に緊急映像へ切り替える「チェンジオーバー」機能があります。あるとき、生中継中に静止画像の表示が長く続いたため、この機能が放送障害発生と誤検知し、緊急映像へ自動切替する一歩手前まで進みました。しかし急コールを導入していたため、担当者がアラートメールにすぐ気づくことができ、誤検知による不要な自動切替を回避できたのです。

実際、アラートメールの発報自体は1日に1〜2件程度、急コールからの架電は月に数回ほど。その多くは実際の放送事故ではなく「事故の一歩手前」の段階での通知であり、トラブルを未然に防ぐことに役立っているといいます。

対応状況が「見える」、SMS併用の安心感

導入して初めて気づいたメリットもありました。急コールは電話だけでなくSMSでも通知できるため、他の担当者がアラートにどう対応したかをSMSで確認できる点が便利だといいます。

「電話は一定時間鳴り続けるので、マナーモードでも気づきやすい。後から履歴を見れば、誰が対応したかも分かります。SMSは件名で何が起きたかが一目で分かり、携帯でも見やすい」(川上様)

電話で確実に気づき、SMSで状況を共有・確認する――この使い分けが、少人数運用ならではの安心感につながっています。

総務省の立会検査でも、好意的な反応と高評価

導入後、再発防止策が実施されているかを確認する総務省の立会検査の場でも、稼働中の急コールに対して好意的な反応と高評価が得られたといいます。実際の障害対応がどのように行われるのかを「見える化」できることは、監督官庁への説明という観点でも価値があったようです。

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担当者様の声

「シンプルで分かりやすい仕組みのサービスですが、当社のように人的リソースが限られ、専属の監視要員を配置できないケーブルテレビ事業者にとって、放送事故の防止に効果的なサービスだと感じています」と、川上様は急コールを評価します。社内では「必要な機能に絞られているため、初期設定する際も比較的容易に設定できた」という声も上がっているとのこと。さらに、今回の取組をきっかけとして「放送障害そのものへの意識が社内全体で高まった」という、副次的な効果も生まれているといいます。

今後の展望

NCT様では、ネットワーク設備の点検・保守を担当する社内の他部署にも急コールを紹介しています。ただし、放送設備とは異なり、ネットワーク機器のアラートメールは種類が多岐にわたり、単純なキーワード設定が難しいという課題もあるといいます。この点について、より厳密な条件でメールを絞り込める「正規表現」を活用した運用など、運用ルールに合わせた検討の余地もあり、今後の活用拡大が期待されます。

サービスへの要望として川上様が挙げるのは、「現状のサービスで過不足はありません。24時間365日、確実に稼働し続けてほしい」という点です。特に、大規模地震など通信が集中する災害時にも確実に機能してほしいと期待を寄せます。放送を止めないための「最後の砦」として、急コールの安定稼働への信頼がうかがえました。

[ 放送業界における急コールの可能性 ]

NCT様の事例は、決して特別なものではありません。急コールの提供元である株式会社ワイドテックが、総務省へ報告された令和元〜6年度の重大な放送停止事故138件を独自に検証したところ、その約半数(47.8%)にあたる事例で、急コールが対応の迅速化に役立つ可能性があることが分かりました。

これらの多くは、夜間・早朝・休日のアラート見落とし、受信者が少数、リモートワーク主体といった理由で「異常通知に気づけなかった・気づくのが遅れた」ケースです。実際、各事業者が総務省に提出した再発防止策には、「電話による通報手段の追加」「アラートメール受信者の増員」「夜間当番制」などが数多く挙げられており、これはまさに急コールが提供する機能と重なります。

限られた人員で放送を支える事業者にとって、急コールは放送事故の防止に向けた有効な選択肢となりそうです。

資料【年度別「放送停止事故の発生状況」総務省】

• 令和元年度(報道資料) https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu08_02000234.html
• 令和2年度(報道資料) https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu08_02000250.html
• 令和3年度(PDF) https://www.soumu.go.jp/main_content/000846557.pdf
• 令和4年度(PDF) https://www.soumu.go.jp/main_content/000909354.pdf
• 令和5年度(PDF) https://www.soumu.go.jp/main_content/000984802.pdf
• 令和6年度(PDF) https://www.soumu.go.jp/main_content/001036025.pdf


導入企業様のご紹介
株式会社エヌ・シィ・ティ(NCT) 様
  • 事業内容:ケーブルテレビ・インターネット・電話サービス
  • 所在地:新潟県長岡市
  • サービスエリア:新潟県中越・県央地域を中心とした16自治体
  • URL:https://www.nct9.co.jp/
  • お話を伺ったご担当部門:地域情報部 放送技術チーム
  • 導入したサービス:急コール(株式会社ワイドテック)
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